scene.5

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 なんて返せばいいかわからず、要領の得ない返事ばかりになる。  健太は特に気にしていないのか、グラスに口を付けながら続ける。 「しかも、佐々木さん、全然俺に興味ないんですよねー。困ったことに」  健太がわざとらしいため息と共に呟く。 「まぁ、彼氏はいないそうなんですけどね」 「へぇ。……そうなんだ」 「って言ってました。好きな人くらいはいるかもしれないけど」 「どうだろうな」 「陽斗君はどう思います?」 「どうって……」 「俺にチャンス、あると思います?」  その問い掛けに言葉が詰まる。  時間稼ぎにグラスの中身を飲み干すと、喉が大袈裟に大きく上下した。
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