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健太はその間も俺を見ていた。
健太の顔を見ることは出来なかった。
「……あるんじゃない?」
そう言った声は掠れていて、平坦でわざとらしい言い方になっていた。
「わ、まじですか? じゃあ、頑張っちゃおうかなー。難攻不落でしょうけど」
「おー」
「まぁ、難しいからこそ燃えるってことで。
落城させるためには、まず敵情視察ですよね。佐々木さんの好きなタイプとか、想像も付かないけど。……ところで、陽斗君」
「なに?」
「陽斗君は佐々木さんのこと、どう思ってます?」
健太は、少しだけ声を低くして言った。
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