scene.6

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 夕方送ったメールに素早い返信で了承した木本が予約を入れてくれていたのは、美亜と初めて食事に来た創作料理屋だった。  盛り付けが鮮やかな料理は、どれも相変わらず美味しかった。  酒ばっか飲んで、あまり箸は進んでいないけれど。  頼んでいた焼酎の水割りがテーブルに届き、口に運ぶ。  三分の一を飲みグラスを置くと、焼き鳥の串をくわえた木本が、「で」と言った。 「なにがあったの?」 「なにがって?」 「そのらしくない飲み方の原因に決まってんじゃん」  木本はそう言い、食べ終わった串を皿に置く。  俺の返事を待っているのか、次の串には手を伸ばさない。
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