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らしくない。
確かにそうだった。
どちらかといえば、俺は上手い酒をゆっくり味わいたいタイプで、木本もそれは同じだった。
だからこそ、飲む波長が合う木本とは、こうやってよく一緒に飲みに行く。
今飲んでいる焼酎は最初のビールを含めるとすでに6、7杯目で、ただ喉に流し込むだけで、全然味わってなんかいなかった。
「……別に、なにも」
昼間から、いや、自分の気持ちを自覚してからずっと頭を占めているのは美亜で、わざわざ考えるまでもなかった。
それでもそう返した俺に、木本は苦笑する。
「相変わらず秘密主義だな、陽斗は」
「いや、別にそんなことないけど」
「あるって。陽斗は基本、自分のこと全然話さねーじゃん」
「そんなことないだろ」
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