scene.6

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 確かに美亜とのことを話したりはしていないけど、それ以外、別に隠すようなことなんかなかった。  そう、なにも。  毎日変わり映えしない日々を、流れていくそのままに身を任せ、忙殺され、なにも考えずに過ごしてきただけだった。  そんな毎日が色付き始めたのは、美亜と過ごすようになってからだった。  浮き出ようとしてくる感情を押し込み、テーブルに置いていたタバコに手を伸ばし、火を付ける。  ふわりと流れていく煙を、目で追った。 「ま、言いたくないんだったら、別に言わなくてもいいけどさ」  木本は呆れたような顔でそう言い、新しい串へと手を伸ばす。 「それよりさ、咲良(さくら)ちゃんの話聞かせてよ」 「おまえ、さっきからそればっかだな」
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