scene.6

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「……え、と……。あ、そういえば美亜、化粧品欲しいって言ってた、かも……」 「……そうなんだ」  夏川さんが取り繕うように引き攣った笑顔で言い、俺も笑顔で返した。  だけど、ちゃんと笑顔だったかの自信はない。  目の前にはまだ手を付けていなかった生姜焼きが、さぁ早く食えと湯気を立てていた。  食堂のおばちゃんの好意でいつも大盛りにされる白ご飯とそれは、食べたくて頼んだものだったはずなのに胸焼けを起こさせた。   とりあえず口を付けてみたものの、食べきれる気がしなかった。
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