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テーブルはその尻にクリーンヒット。
つんのめって痛みに耐えていた彼は、
恍惚の表情を浮かべたかと思うと
とっても素直にこう答えるのだ。
「わ、分かった、用件を言おう」
「は~や~く~」
仁王立ちしていたルビイさんが
ソファに戻って腰を下ろす。
それと同時にRENも話し出した。
「リリカ…いや、黒木萌々香を譲れ。
そいつは俺の女にするから」
「断る」
タンバたん、即答。
しかしRENはそれを一蹴する。
「はは、いつまでイキがってられるかな。
お前の警護している中田組の次男は、
跡取りじゃないどころか、
いずれ組も抜ける予定なんだろう?
そんな戦力外の男の側近だということは、
お前自身も組内部で重要視されていない
という証拠だ。
俺は跡取りでは無いが、幹部候補だし、
組内部ではそこそこ権限を持っている。
何より親父に溺愛されているからな。
確かにお前は若頭補佐の息子かもしれん。
でも父親とは不仲で縁を切ってるって?
後ろ盾のない無力な男なんか、
こっちは簡単に消せるんだよッ」
…だから私を譲れと??
なんたるご無体を。
ま、まさかタンバたん、
素直に渡したりしないよね??
だってほら私、とっても可愛いよ?
手放したら勿体無いよ??
ドギマギしながらその姿を目で追うと、
彼はニコリをもせずにこう言うのだ。
「消せるものなら、消してみろよ。
本当にソレが出来るのならな」
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