プロローグ

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プロローグ

 3月のある夜、猫を轢いた。 はじめはゴミでも落ちているのかと思った。しかし、それはゴミではなかった。 猫だったのだ。灰色のぼろ雑巾みたいな今にも消えそうな大きさの。 そして小さな瞳でじっと見るそいつを轢いたのだ。
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