第三章:幾度も

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第三章:幾度も

結局のところ僕は公務員試験を受けた。第一志望だったところには届かなかったけれど、地元に残って仕事ができそうである。 気がつけば入学してから早くも四年が経過していた。卒業まで後僅かである。 僕は思い出のあるサークル部屋で名残惜しんでいた。キャンプ、クリスマス会、花見、満天の星空等数えればきりがないほどの思い出達が僕の頭に出てきては消えていく。 この大学生活で様々な人や物に出会い多くのことを学んだ。中でもこの大学生活を大きく変えたのは彼女であるということは薄々感じていた。 僕は彼女を愛していたのだ。 彼女には言ったことがないのだが、彼女の人柄が好きだった。 他の誰とも違うところが好きだった。まっすぐな瞳が好きだった。全てが好きだった。 この気持ちは本物であった。 しかし、ずっとこの気持ちを伝えられずにいた。だが僕はもう後がないことを知っていた。だから近々思いを打ち明けようと決めた。
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