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室内をよく見ると、ゴミだらけだったはずのリビングは片付けられ、久しぶりにテーブルの木目が見えていた。そういえば木製だったなと思い出す。
ソファの上の洗濯物の山も消えていた。
「……これ、君が?」
問いかけると、アンドロイドは首を縦に振る。
「へー、戦闘用アンドロイドのはずだけど、家事機能がついてるのかぁ」
感心しながら、ソファに腰掛ける。
香ばしいパンの匂いに鼻をひくつかせていると、アンドロイドは何か言いたげに自分の喉を指差した。
「あー……言語機能が故障してるのかなぁ?ラボから工具箱持ってきてよ。すぐ直すからさ」
指示通りリビングから出て行くアンドロイドを見送り、テーブルの上に置かれていたリモコンでテレビを付ける。
リモコンを探す手間がかからないのは、久しぶりだ。
『――プロキシマbでは、既に大多数の市民が地球による統治に同意しており、反抗勢力の制圧は概ね完了したとのことです。新生政府ではこの星の呼称を「テラⅡ」と改めるという案が――』
たまたま映ったニュース番組では、アナウンサーは真面目な顔をしてそう嘯いている。
プロキシマbとは、地球からたった4光年の位置にある地球型惑星だ。
50年ほど前に、地球人類はその星への移住を試みた。
だが、その星には先住民が居た。
それも、地球人類とほぼ同じ姿で、ほぼ同等の文明を持っていたのだ。
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