第九話 ある機械兵士の恋

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工業用アンドロイドとして認可を受け、本来のスペックに戻してしまえば、リアムはこういった力仕事や危険な作業は得意分野だ。 「ふふ、実はねリアム……免許取れたんだよ!義肢装具士の!さっき合格通知が来てね、嬉しくてタクシー飛ばして来たんだ!」 「そうですか」 「あれ。なんかリアクション薄いよぉ?」 「ジェフリーなら当然でしょう」 「褒めてくれないのぉ?一年ちょいで取れたんだよ?国家資格だよ?」 ジェフリーが唇を尖らせてそう言うと、リアムは手に付けていた作業用のゴム手袋を外した。そして、鉄の指先でジェフリーの頭を撫でる。 「よく頑張りました。貴方の恋人として、誇らしいです」 ついでに耳朶を軽く愛撫され、その感触についうっとりしてしまう。 この機械の恋人と出会い、一年と数ヶ月。 毎日一緒に居るというのに、飽きるどころか毎日どんどん好きになる。 今でも、こうして軽く触れられるだけで、幸せな気分になった。 「ふふ。これで僕も見習い卒業だ」 「アン様も喜ぶでしょうね」 「そうだねぇ。彼女の仕事、少しは楽にしてあげられるし」 結局ジェフリーは、アンの勤める義肢工房に勤めていた。 アンに意地を張る必要なんて、全く無いと気付いたからだ。     
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