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ジェフリーが抱いていた彼女への後ろめたさや反発心など、アン本人には全く興味が無い。それに気付いて、ジェフリー自身もどうでも良くなったのだ。
一緒に働きたいと言ったらアンは手放しで喜んで、リアムまで同僚に紹介してくれた。今も、良き先輩として、色々な事を教えてくれる。
妻だった時よりも、今の方が良い関係を築けているかも知れない。
「そろそろ、上がる時間だろリアム。目の前でおっさんといちゃつかれたら目に毒だから、今日はもう帰れよ」
「いいえ。就業時間は後一時間二十一分あります」
「バーカ、早退したらいいだろ。後はオレがやっとくから。今日はさ、特別な日だろ?」
「……そうですね。では、そういたします。帰ってお祝いをしましょう、ジェフリー」
頷いて、リアムはジェフリーの腰に手を回した。
されるがまま、リアムに身体を預ける。鋼鉄の硬い腕や身体。この身体に抱き締められる安定感と安心感が、たまらなく心地よい。
「はー、ほんっと。バカップルだよなあんたら……。おっさんなんて、前見た時よりぷくぷくしちゃって。それ、幸せ太り?」
「そう!そうなんだよぉ!」
気付いて貰えたのが嬉しくて、ジェフリーはコートをはだけさせ中のシャツを捲る。
逞しいとは決して言えないが、それなりに肉のついた腹部と脇腹を露わにした。
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