野間さん家の居候

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「ニュースですか? あー、そう言えば、今日一日テレビ付けてなかったですね」  今日は一日、趣味の読書に時間を費やすことができ、とても充実していた。だから、テレビを観るなんて考えもしなかった。そうだ、まだ読みかけで止まってるから、夕飯を食べたら続きを読まないとな……。なんて、話から逸れたことを考えていると、突然奥さんがレジの向こうから身を乗り出してきた。 「今、地球に宇宙人が襲来してるのよっ!」 「…………へっ? 宇宙……人?」  身を乗り出してまで何を言うかと思えば、とんでもなく突拍子もないことを言う。いっとき虚を突かれ茫然としてしまったが、思考が発言を理解すると思わず吹き出してしまった。 「宇宙人って、何言ってるんですかー。そんな冗談、小学生にも通じませんよー」  あまりに可笑しくて、ここがスーパーだということも忘れて大笑いしてしまう。しかし、それでも奥さんは「冗談よー」などと訂正してくることはなく、真剣に声を荒げてくる。 「笑い事じゃないのよっ! その宇宙人っていうのが、男性を攫う目的があるみたいなのよ。ウチの男性たちもすぐに帰されて自宅待機が命じられたんだけど、何人か連絡が付かない子が居るみたいなのよ」  それは俺のふざけた態度に怒ったという風ではなく、進撃に何かを忠告しようとする気持ちが前面に出たものだとた。 「……本当、なんですか?」  漂う気迫から、奥さんの言葉が事実なのだと感じられ、笑いが引いていく。 「こんな状況で嘘なんて言わないわよ。今は減ったけど、ちょっと前まで店の外にも宇宙人が何人もうろうろしていたんだから。野間さん、ここに来るまでに見かけなかった? 光沢ある変わった服を着たスゴく格好いい男の子たち」 「……あ。もしかして、あの人たちが」
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