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「………何だか嫌な奴だな………」 秋人は成り行きをジッと黙って見ていたが誰もか言いたくても言えないでいた淳の態度の悪さをサラッと口にした 「仁も手を焼いてるんですけどね、何せ仁に継ぐ稼ぎ頭だからちょっとくらい増長しても仕方ないんです」 「司を無視した事が許せない」 「俺は別に構わない、速水さんも秋山を手伝って下さい、悪いけど俺は今手が放せない」 淳はいつも神崎を数に入れてないように振る舞う、モデル業もしていないしライバルでも何でもないので明らかに下に見ていた 「今度見かけたら蹴りでも……」 「……入れたら二回目の出禁にしますよ」 神崎が憤慨する秋人の頭をポフっと撫でて靴箱の側に座れと背中を押した ……………背中を押した……… その意味を悟れるのは恐らく………いや絶対日本中で、いやいや世界中で俺だけだ シュウが接触を嫌がるのは何も人を選んでの事じゃない、反射で体が避けていた、"この人ならいい"とか簡単なレベルじゃなかった筈だ それなのに神崎が背中を触っても当たり前のように振る舞えるって事は…………… 忙しく動き回って目を離しているうちに神崎はシュウに何をしたんだ…………… 「アキ!何ボウっとしてるんだよ、早く片付けないと司の仕事を手伝う暇が無くなるだろ」 「え?ああそうだな…………」 机に戻ってパソコンを動かし始めた神崎の方をチラリと伺って靴磨きのスポンジを手に取った 素知らぬ顔で手を動かす神崎がとてつもなく恐ろしい存在に見えて今すぐシュウを連れて事務所を出てしまいたくなった
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