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「んー………多分だけど俺は近々一回日本に帰ると思うんだ、答えはその後どうするか決めてからでいいかな?返事の期限はある?」 「帰るの?!日本に?」 「あいつを放っておけないからな………このままニューヨークに置いておくのは危なくてさ」 「それは分かるけどどっちの意味?あの子を日本に連れて帰るだけ?、直ぐにこっちに戻って来るのよね?それともそのまま日本から帰ってこないって事??」 「空港にあいつを置いたらその足で帰ってくるつもりだけど……今は何の約束も出来ないんだ」 「そう………なの………」 前に付き合っていた日本人の商社マンは態度も冷たく出張や帰国も頻繁にあったが足が地に付いていて神崎に感じる不安定さはなかった 神崎は既に仕事のネットワークを持っていてどこにいても収入を得る手段があるのだろう、今の居場所に固執しているようには見えない 正社員の打診に迷うなんて今時あり得ない贅沢だろう 「返事に期限はないけどあんまり長くなると保証は出来ないわよ」 「長くはかからないよ、待ってもらえるように伝えてくれる?」 「…………わかったわ………」 飛びついてくれると思っていた、会社の思惑は褒めれたものじゃないが神崎に取ってもメリットは大きい筈、滞在ビザの事もあるし焦らないで上手く誘導した方が良さそうだ 「ボスに伝えとく、今日は午後から選評会もあるし帰るわね、あの小僧によろしく言っといて」 「荷物をわざわざ持ってきてくれてありがとう」 それから泊めてくれて助かった、と額に貰ったキスに一区切りを告げられたのは気のせいだと自分に言い聞かせた   
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