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「シングル一個でいいじゃん馬鹿高!」 「駄目です、前にそれで………」 「いいのに……」 「良くない!!馬鹿!!学習しろ!!」 場所柄ホテルはどこも高額でほんの少し安い所は満室………、飛び込みだから仕方がないがシングルふた部屋でニューヨークでの仕事10件分は優に超えた   二週間ホテルに泊まるなんて今の収入でよく言えたもんだ、サラが泊めてくれなければ困り果てていた所だった 避難に近いこんな時に泊まるホテルにしては部屋は豪華で似つかわしくない、広いベッドはシングルルームな割に二人でも充分な広さがあった 「それで?携帯取られてストリートパフォーマンスで日銭を稼いで他はどうしてたんですか」 「他は何もない、雑貨屋のおばちゃんと仲良くなって時々泊めてもらったりしてた」 「こんな無茶して何かあったらどうするんですか、ここは日本じゃない」 「地図で見たらマンハッタンって小さくてすぐに司が見つかると思ってたんだよ」 シャワーを浴びてから途中で買ったTシャツに着替えさせ、テイクアウトのホットワインを飲んでいた とてもじゃないがシラフでは辛い 夕食を食べ損ねデリで買ったターキーのサンドイッチは喉を通りそうにない 「今日会えた事が奇跡に近い、電車でどこに行こうとしてたんですか」 「踊ってたんだよ、司を見つけて追いかけたけど………降り損なっちゃって」 「え?あの車両の奥でやってたブレイクダンス?人がいっぱいで………車内で俺達が見えたんですか?」 「うん、チームに混ぜてもらってたんだけど………」 「混ぜてもらった?」 ずっと気になっていた事………秋人はサラと話す時もその他でも稚拙な片言さえ英語を口にしない 「速水さん………ひと月こっちにいて言葉は?」 「どこでも日本語で通じてるよ?」 「何ですか………それは」 呆れる、心底呆れる……この度胸はどこから来るんだ この調子だと秋人は宇宙人とだって暮らしていける
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