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お粥を作るためにスーパーに寄って卵を半パックカゴに放り込みついでに液体の胃薬を二本買った どうせ神崎は二日酔いにドロドロ溶け液体のようになって机の上に潰れてる 春哉はもうあまり用のない大学に寄ってからFACTの事務所に出勤した 「司!写真が足りない」 「"速水さん"それは後でいいから名刺に20人分の名前とアドレス入れ替える方を先にして下さい」 「司がやれって言ったんだろ」 「速水さんの作業が思ったより時間がかかったんで予定が押したんです」  「司が昨日酔いつぶれたから時間が押してるんだろ」 向かい合わせのデスクでお互いの顔が見えないままムキになったように神崎と秋人が不必要に「司」と「速水さん」を連呼していた 事務所に入っていってもどちらも挨拶もない 「あの………速水君今日は来る日じゃないよな?」 「俺は午前中の授業が休講になったから昨日やり残した仕事をやりに来たんです」 「………司って?」 神崎が「黙れ」と黒いオーラをもわッと発散させて春哉をギロリと睨んだ 「名前で呼べと頼まれた」 「そんな事頼んでません」 「神崎って呼ぶなって言った」 エンターキイを思いっきり叩く音をパンっとさせてイラつきを露わにした神崎に秋人はビビる様子も見せないで平気な顔をしている 神崎が怒ったりイライラする事は滅多にないがどちらかと言えば黙るタイプでいつもならただ口をきかなくなる 普通に不機嫌な顔をして怒っているのは珍しかった 「…………速水さん、春哉が来たからパソコン交代して帰って下さい」 「今名刺やれって言っただろ」 「春哉がやるからそこどいて」 「神崎さん!俺はお粥作るからそれまでは……速水くんにやってもらったら………」 何があったのかは分からないがプチ喧嘩モードに慌てて割って入った、近頃神崎がやたら感情を見せて大人でスマートなイメージが吹っ飛んで来てる 「秋人もやりかけがあるみたいだし………俺はお粥作ります…」 声が萎んでしまったが秋人のデスクトップは散らかったままで保存出来ているかも怪しい、ファイル名が名称未設定のままだ
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