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「なんだこりゃ!?」
思わず口から出てしまった。
朝出た時の部屋とはまるで違っている。
脱ぎっぱなしの服はどこかへ消えていて、台所、風呂、部屋の隅々に渡るまでやたらと綺麗になっているのだ。
どこか甘い女の子の部屋のようないい匂いまでする気がする。
「おかえり!オムライスの材料は揃えておいたわ!さぁ康介!存分に腕を振るいなさい!」
ちらっと台所に目を向けるとおおよそオムライスが出来上がることは無いであろう食材たちが並んでいた。
まぁそんな事だろうとは思ったけれど。
居間に移動してる途中ふと気づいた。
「僕の布団はどこにやった?」
「あぁそれならこっちよ」
僕の家には二部屋あってそちらに移したという。
亜矢子は勢いよくドアを開けてこれを見ろと言わんばかりの眼差しでこちらを見ている。
確か、引っ越してからろくに手をつけていないダンボールだらけの部屋だったはず。
その部屋を見て驚いた。
部屋のダンボールは綺麗に片付けられており、布団も綺麗に敷かれている状態だった。
気になるのが、布団に枕が2つ準備されており、各々の枕に「はい」と「いいえ」が英語で書かれているのだ。
いつの時代の寝室だよ。
それに、あの枕はどこから調達したのだろう?
・・・と、それどころではない。
「もしかして同じ布団で寝るのか?」
「やだ、アタシにそこまで言わせるの?」
ポッと頬を赤らめて言う顔はまるで新婚初夜の新妻と言ったところか。
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