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「待ってくれ!僕はそんな度胸もないし、まして、知り合って日も経たない女の子と一緒の布団で眠れるほど心が太くないんだ!僕は居間で寝る!」
「一緒に寝ないと意味無いの!一緒に寝るから意味があるの!」
同じことを言い方を変えて2回も言うな。
「いや!これを引き下がったら僕は耐えられない!これは決定事項だ!」
亜矢子の回答を無視して台所に向かった。
まだギャーギャー騒いでいるがそれだけは譲れない。
オムライスさえ食わせてしまえばこっちのものだ。
台所に出ていた材料は、チョコレート、スナック菓子、カップ麺の麺だけ。
麺以外はどこに行ったのだろう?
これで作ったら大分激しいオムライスが誕生すること請け合いだ。
それぞれを元の場所に戻し、カップ麺は・・・後でどうにかして食べよう。
調理を初めて数分、今日は片付けしてくれたし、一応感謝ということで卵を3つ使ったいわゆるオシャレな洋食屋のオムライスにしてやることにした。
亜矢子は諦めたのかむくれつつも、スプーンを握りしめてテーブルに着席。
そこだけ律儀なのはなぜだろう。
「ほら、食えよ」
「オムライスじゃない」
「は?ちゃんとオムライスだろうが。名前も書いたし卵だって3つ使ったんだぞ?」
「違う!アタシは康介のオムライスが食べたいの!あの安くさいうっすーーい卵がいいの!まぁこれは食べるけど」
早速食べ始める亜矢子。
「だいたいね!オムライスというのは・・・・・・」
「食べながら話すのやめなさい」
「お母さんみたい」
「失礼な!」
結局オムライスをたいらげて、コーヒーを飲みご満悦の様子。
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