3返し目

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風呂から出ると亜矢子がテレビを見ていた。 「おかえり、なんか飲む?」 「ああ」 亜矢子はすっと立ち上がると、やはり足音を立てずに麦茶を2人分用意してきた。 「さんきゅぅ」 「どういたしまして」 テレビを見ている亜矢子を横からじっくり見てみる。 実際のところ、かなり可愛いのではないだろうか? 整った顔と金髪は完全に外国人だ。 人形みたいといえばわかるだろうか? いつもなら帰っているであろう時間を過ぎてきて、亜矢子は欠伸が多くなった。 僕としてはまだまだ寝るような時間じゃない。 「眠いなら寝りゃいいのに」 「まだ・・・、もうちょっと康介の躾を・・・」 言い終わる前に寝落ちしてしまった。 どうやら僕は枕返しに躾られているらしい。 躾とは随分とバイオレンスな事を言っている。 僕はこの後何をされるのだろうか? 首筋を冷や汗が流れた。 ともあれ、このまま寝られては困る。 亜矢子の寝ている僕から見てテーブルの反対側に今日の僕の寝床、ソファーがあるのだ。 ここからご退場頂かなくてはならない。 ぐでっと伸びた亜矢子をお姫様だっこして、布団の上にそっと置いた。 流石に投げるなんて出来ない。 この様子なら朝までぐっすりってところかな。 今日は疲れたし、僕も横になりたい。 適当なタオルケットを掴んでソファーに横になった。 今日はなんだかよく眠れそう。 とは、いかなかった。 眠れないままソファーでのたうち回って気づいたら夜中の3時だ。 不眠症が治ったわけじゃない。 亜矢子が帰っていた時も寝れていたわけではないのだ。
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