1返し目

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気付くと朝になっていた。 案の定頭は割れるように痛いし 倦怠感は折り紙つき。 吐き気もするしどう考えてもこれから出勤という体調ではない。 二日酔いに効くらしい薬を飲んで 洗面所の鏡に映る目の下のクマをこれでもかと擦ってみたけど当然、具合の悪そうな顔は治らなかった。 よく考えたら昨日は悪夢を見たような気がするし、というより、酔いすぎて悪夢のような夜だったのだけれど・・・・・・。 布団を畳んでからコーヒーを淹れた。 これで少しは頭痛やら何やらが緩和してくれると大変嬉しい。 テレビから流れてくる星座占いに耳を傾けながら 淹れたてのコーヒーを1口。 ・・・・・・。 味かわからん。 体調不良すぎてコーヒーの匂いがする苦めの飲み物ぐらいにしか感じない。 テレビの星座占いでは蟹座が1位らしい。 なんでも、今日は朝から絶好調新しい出逢いを大切にして1日を頑張ろう! との事らしい。 朝から二日酔いに苦しむ僕になにが絶好調だ。 テレビに向かって憎まれ口を言いながら テーブルのコーヒーに手を伸ばす。 手にコーヒーカップが当たらない。 手元を見ずに手探りで探してるからだろうか。 ちらっとテーブルに目を向けると、金髪に翠の瞳、外国人のお姉さんといった外見の来客がテーブル越しに僕のコーヒーカップに口をつけようとしていた。 来客? 一人暮らしの僕の家に? 女の子? まさか酔った勢いでひと夏のアバンチュールを演じてしまったのだろうか? ここまでの考えを1秒以内で思考して出た言葉は 「ど、どちらさまで?」 我ながらボキャブラリーが貧困というか・・・・・・。 金髪外国人は コーヒーを1口飲んで 「おはよう」 ボソッと不機嫌そうに言った。 続けて。 「このコーヒーどこの豆?」 呆気にとられながら僕は言う。 「キリマンジャロだけど」 「明日からはブルーマウンテンにして。アタシ酸味が強いコーヒーって苦手なの。あと、酒臭いからこっち向かないで」 「あ、ごめんなさ・・・・・・じゃない!お前はどこのどいつだ!てか、どこから入って・・・イテテ」 騒ぐと頭に響く。 「亜矢子。枕返しの亜矢子さんよ。昨日も一緒に居たじゃない。1晩過ぎたら女を捨てるような男なのね。亜矢子悲しい・・・ウルウル」 自らウルウルと言うヤツはどうやら昨日一緒に居たらしい。
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