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「かわいいからだ……」
見なくてもわかるほど、背中や腰に五十嵐の熱い視線を感じた。視線だけでなく、両手で優しく背中を撫で、ヒップの丸みを揉みしだき、割り開いて濡れた結合部を見ている。夢見心地だったところに恥ずかしさのスパイスが降ってきて心臓がきゅうっと締め付けられた。
五十嵐の膝の間で、忍の身体は右にも左にも逃げることができない。繋がっているから上に逃れることもできず、大好きなひとにやさしく拘束されていることにひどく興奮した。
「ああ……あ、また」
「いきそう?」
「ん……」
シーツに自身をこすりつけ、快感を上乗せする。尾てい骨のあたりから快感が駆け上がり、枕を握りしめてまた達した。
五十嵐の息遣いも激しいものになる。好きだ、かわいいと繰り返しながら五十嵐も忍の奥に放った。
お互いにどくどくいう心臓を聞かせ合うようにまた向かい合わせになって抱き合った。ようやく五十嵐の顔が見えて安心する。つなぎ合わせた手だけはそのままで二人で仰向けになってしばらく空気を存分に吸った。
「五十嵐……」
「ん?」
五十嵐が身体を忍の方に向けて柔らかく微笑んだ。忍の大好きなきつく切れ上がった目が優しく細められている。
「えっち。いろんなとこ、じろじろ見やがって」
あっという間に普段の調子に戻ってしまった忍の頬を撫で、五十嵐がふはっと噴き出した。
「すみません。ついかわいくて」
「えっち。エロ」
「ピロートークなんだから、もっと他のことば言ってくださいよ」
「他のって?」
例えば、と優しくおでこにキスを落としながら呟く。「好きです、有村さん」
「……五十嵐」
「はい?」
「……すけべ」
五十嵐は笑いながら忍をぎゅうぎゅうと抱きしめた。
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