3-5【R18】

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自分で望んで未知の世界に来たくせに、言葉が通じなかったり、物を盗まれたり、騙されたりするとなぜ自分だけがと憤った。砂漠地帯の極寒の夜や、灼熱に焼かれ続けるヒッチハイクの道端では、悪態をついて自分の不運さを呪った。けれど目を閉じで深呼吸をすると有村さんのきらきら光る瞳が浮かんだ。噛みつくような勢いで「思い通りになることなんてないんだ!」と五十嵐に活を入れてくる。思い出すと怒りに波立つ心が静まったし、前に進む力が沸いた。どこにいても、昼でも夜でも、目を閉じれば五十嵐だけの夜空が広がり、一粒だけ強い光を放つ星が輝いていた。 「俺も早く入りたい。入れて」  涙を溜めた瞳で見られ、「もう入れて」なんて懇願されたらひとたまりもなかった。一気に突き入れたい気持ちをなんとか抑えて、気持ちを落ち着かせる意味でも口づけを交わす。忍の首筋に顔を埋めて喋ると、くすぐったいのか忍がクスクスと笑い始めた。さっきまで泣きそうになっていたのに今はもう笑っている。基本的に正直なひとだが、抱き合ってからはますます子供のように無邪気になった。リラックスしているならばちょうどいいと、浅く侵入してみる。 「あ……は、入っちゃった……」  笑っていた忍が戸惑ったように目を見開いた。その表情とそのままの感想が、幼い感じがしてかわいかった。 「うん、少しだけね」  腰を揺すってもう少し奥に入ると接合部からクチュ、と濡れた音がした。  少し笑ったのが良かったのか、忍の後孔は柔らかく五十嵐を迎え入れ、中はとろけるように熱かった。 「すごく、熱く濡れてて気持ちいい」  耳元に唇を寄せて気持ちいいことを伝えると忍が顔を赤らめて視線を外した。身体を伏せたことでまた少し五十嵐の屹立が潜り込んだ。
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