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私は恐ろしい夢を見た。
私は暗くて冷たい、トンネルのようなところにいた。
なんだか嫌な感じがして怖かったので、早くここから出なきゃと思っていると、まきちゃんが現れた。白い服を着てにこにこ笑っていた。
まきちゃんは
「早くいこう」
と言いながら、私の腕を掴んだ。
その手がゾッとするほど冷たかったのを覚えている。
あんまり強い力で引っ張ってくるので、痛くて痛くて抵抗すると、あっさりと振り解けた。
まきちゃんは笑ったまま、猫なで声で「大丈夫だよ」とか「こっちきて」とか言った。
私は掴まれた腕が痛くて、腹が立っていた。
まきちゃんが再度手を伸ばしてきたので、体をよじってそれを避け、
「やめて、そっちにはいきたくないってば!」
と半ば怒鳴るように拒絶した。
するとまきちゃんは泣き出した。
泣きながらボソボソと、
「なんで……どうして……」
と呟き、それが唸りのように聞こえた。
唸るような泣き声は、段々大きくなり、絶叫になった。
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