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1-Aの教室内に残ったレイは、マキを睨んでいる。
「マキ、どういうつもりだ」
呆れ顔の白鳥もそれに続ける。
「しゃべり過ぎじゃないの?」
一拍置いて、マキが笑い出す。
「あはははっ。いいじゃないか。それに、ハクも結構いろいろ教えたんじゃないのか」
「私は、彼らの質問に答える役回りですからね」
「なるほど。物は言いようだな。まあいい。でもな、面白いじゃないか、今回は。前回のあれは余りにもつまらなかった」
「タカさんに怒られても知らないわよ」
一瞬、マキは白鳥を睨んだように見えた。が、気のせいだったのか、やはりマキは笑っている。
「いや、これは寧ろ、私達にとってもいい展開なんだ。タカさんもきっとこの判断は褒めてくれるよ。最終的には、ね」
「かなり強引な屁理屈を押し付ける気ね」
「まあ、これであの男子校の子供達は解放って事になるが、それでもいいじゃないか。こっちの方が個性豊かで、競技にも面白みが出るってもんだ」
「親御さんにも恨まれるんじゃなくって」
「まあな。でも、表立って嫌な顔も出来まい」
マキは、すぐそばにある机に頬杖を付いて、レイを見た。
「まあ見てなって。最終的にはこちらの思惑通りの結果になるから」
「あの子達が行ったら、タカさんはどうするのかしらね」
白鳥は独り言のようにそう言ったが、その言葉もマキが拾った。
「それも含めて、この後が楽しみだよ」
そう言って、またマキは唇を歪めて笑った。
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