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「なんだか、良くわからないんだけど」
「結局そこってなんなの」
浩平と美智也が、ほぼ同時に口を挟む。
「私達が今参加させられてるのは、あくまでもプロトタイプ。でも、考察が終了して、本戦が始まった時、楽園はテロナイトメア競技場となるの」
「話を聞く限り、余り深刻には思えないんですが」
壮太は、少し肩透かしを食らったようだった。
「とんでもない!」
突然の熊田の大声に、皆が驚いた。
「いい、確かにプロトタイプ中に負けなければ、私達は元の家に帰れるわ。でもね、もし本戦が始まるまで敗者のままだったら…」
「…ままだったら?」
冬人はそう言って、生唾を飲んだ。
「私達は、一生そこから出られない。『生贄』に、なるの」
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