共謀

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「この度は、ご愁傷様です」 「ご愁傷さまって、海は・・・海は死んだっていうの?」 「はい」 「はい、じゃないわよ!それで…」  保護者ー 「こちらが、参加費の百万円、それと、海様は四十五億円を獲得されています。本人死亡という事で、獲得金額は半額となりますが、こちらがその二十二億五千万円です」 「あら、そ、そう。今後、参加費が頂けないのは残念だわ。でも、これだけあれば」 「海様の御遺体はどういたしますか」 「いらないわよ!そちらで勝手に処理して頂戴」 「よろしいんで」 「いらないって言ってるでしょ」 「失礼しました。では、私達はこれで失礼致します」 ーーーーーーーーーー 「この度は、ご愁傷様です」 「なんだ、修は死んだか」 「はい。こちらが参加費の百万円になります」 「おい、お前、修は死んだとよ」 「あらあら、お金まで頂いてあの子を何とかしてくれるなんて、良かったですね、あなた」 「ああ、あいつの家庭内暴力には、ほとほと困ってたからな」 ーーーーーーーーーー 「長田裕也様は、この度ご帰宅する事になりました」 「なんだって?あの子、帰ってくるのかい。じゃあ、参加費の方は」 「はい、今回のこの百万円で最後になります」 「なんだい。なんならずっとそっちにいてくれたらよかったのに。で、裕也は」 「はい。精密検査後、明日にはご帰宅できると思います」 「あーあ、当てにして車まで買っちゃったのに…」 ーーーーーーーーーー 「希様は、こちらでの預かりとなりました」 「なんですって!希は帰ってこないって?」 「はい。因みに、こちらが希様の参加費、百万円と、ご本人様が獲得した四十億円になります」 「なんだい、お金も本人も帰ってくる訳じゃないのかい」 「はい。当初からそういうお話になっておりますが」 「そうかい。おい、早苗!あんた、これ、居間に運んどくれ」 「は、はい、お母、様」 「では、私共はこれで・・・」 「可哀そうにな」 「何がですか?」 「今度は、あの早苗って姉がターゲットになると思うと、な」 「ターゲット?」 「ああ、あの親は、子供を立てなくなるまで暴力をふるった挙句、病院にも連れて行かない最低な親だ」 「そうなんですか」 「どうも、最近の大人はアルギニンバソプレッシンが不足しているらしい」 「アルギニン、何ですか」 「なんでもない、行くぞ」 「は、はい」
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