第1話 斗陽の想い

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第1話 斗陽の想い

   「だから、一緒に出かけよう」  「だからって何だよそれ。お前の日本語、変だから。何に対して、だからなんだよ」  「今日から連休でしょう」  「ああ」  「二人で出かけるのがそんなに嫌なの?」  「嫌とは言ってない。ただ、こっちの事情も考えてくれ。思い立って行動するのやめて欲しいんだけど」  「突然じゃないって、前から決めてたの。斗陽(とうや)はさ、いつも考えすぎなんだよ」  俺のせいだと文句を言う。違うだろそれ。考えすぎじゃなくて、俺の都合も考えてと言っているだけだ。それに俺に相談せずに勝手に決めたのはお前だろうと言いたくなる。  :睦人(りくと)の機嫌が悪いのは俺が思い通りにならないからだろうけれど、そうそういつも都合良く人が自分に合わせてくれるわけじゃないと、学ぶべきなんだ。  「とにかく行かない」  「なんで行けないの?別に用事はないでしょ」  頭は悪くないはずなのに、どうして正しく聞き取れない。俺は行けないとは言わなかった。行かないといったんだ。可能性じゃなく意志の問題だよなそれって。  「だから、今日だけは一人じゃ駄目なんだよ」  また「だから」だ。  「俺には俺の予定がある」     
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