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   だけれど、この虚しさはなんだろう。  私はまた少し広くなった部屋に佇み、ぼんやりと考えた。  やっと、皆と同じになれる。病気が寛解すれば、きっと私の人生はもっといい方向に向かう。  なのに、この気持ちは何なんだろう。  急に携帯電話が鳴り出し、私は我に返った。  スマートフォンを購入するお金が無く、未だに型の古いそのフューチャーフォンを手に取る。メールだ。  メールを開けた瞬間、間を開けずもう一通メールが着た。その両方が由亜からだった。 『明日の待ち合わせ、十時に駅でいいかな?』 『ごめん、葵……メールの宛先間違えちゃった! 忘れて!』  間違いメールだったようだ。私はすぐに、分かった、気にしないでと返信した。  携帯を机に置き、そしてそっと振り返る。  ……誰に送ったメールなのだろう。  私は由亜とはそれなりの時間を共にしてきたが、その交友関係をほとんど聞いたことがなかった。  由亜にも、私以外の友人知人はいる。それは当たり前だ。  だけれど、私は無性にそのメールの送信先が気になった。  
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