第1章 事件の前兆

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それは、今後のお楽しみだ。他の人は、まあ、この時期の僕は朝寝坊していたせいもあったけど、それ以外の人の顔も知らないし、まだ、ここに来て2ヶ月しか経っていなかったからしょうが無いことだと思う。 僕は何をしでかしてしまったって?それは実の事を言うと自分にもよく分からない。自分では何もしていないつもりなのに、何故か変人扱い。可笑しい。 さて、そろそろ昼休みだ。 「はーい!これで昼の授業は終わり!」 数学の授業が終わると、僕はクラスの皆に邪魔にならないように颯爽と中庭の噴水の所まで行く。中庭にある噴水は、周りがバラやヒメユリ、ヤマアジサイ、ハマナスなどの様々な色鮮やかな花々に囲まれている。正直、この地の和風な風土とは程遠い雰囲気のばしょだけれど、僕はここのそんな所が好きだった。 そこで、日向と昼食を食べるのが僕の日課なのだ。 だが、彼女はクラスの人気者だから一緒に食べる事は中々出来ない。けど、その日は運良く一緒にランチタイムを楽しむことが出来た。 そんな、二人で昼食を楽しんでいる時だった。 日向が今日朝一で作ってきたであろうサンドイッチをもぐもぐと口に含ませながら僕に話掛けてきた。 「ねね、びじばぶん」 「あのさ、日向さん、何度も言うけれど、喋るときは口にある物を飲み込んでから喋ってよ」 日向はゴクンと口にある物を飲み込んで 「ねえねえ、猪鹿君。知ってる?最近の霧 優詩(きり ゆうし)君の噂。確か、猪鹿君霧君と仲が良かったよね」 「ああ、クラスメイトの霧ね。知っているよ。それがどうかしたの?」 日向は人差し指を立てたままにゅっと顔を猪鹿に近づけた。 「それがね、猪鹿君。あの人絵を描くの上手いじゃん?いつくらいかなぁ、丁度一週間くらい前かな?あの人何の絵を良く描くか知ってる?」 僕はここ最近の記憶を掘り起こしてみる。 僕と霧が出会ったのは2ヶ月程くらい前の事だった。 最初に会ったのは、犬神中等教育学校から10分くらい離れたところにある川の河川敷だった。 「君、何しているの?」
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