好き嫌い言いません

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おばあちゃんが言っていた。 お米のひと粒ひと粒に、神さまが宿っているのだそう。 神さまを見たことはないけれど、ひと粒ひと粒大切に扱わなきゃねって おばあちゃんがいなくなった今も、お米を炊くたびにそう思う。 竹ザルのお米を零さないように、潰さないように、腕まくりをして掌でリズミカルに研ぐ。 背中越しに、彼が軽く笑った。 「最近のコメは軽く洗うだけでいいらしいよ?」 「ちゃんと研ぐと艶が出るんです。これはお米の神さまへの作法」 「ふーん。細い腕して…もう少し肉食った方がいいんじゃない?」 彼氏に言われると微妙な気持ちだ。 ダイエットしてるわけじゃないんだけど。 丁寧に仕込むと、炊きたてのごはんは透き通った味になる。 そこは理屈じゃないのだ。 土鍋で炊くとさらに美味しい。そんな難しい技も要らないから、毎日土鍋で炊いてもいいくらい。 吹きこぼれの後始末が面倒じゃなきゃ、やるんだけどなあ。
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