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20分程で俺たちの番になり、俺と葵くんが観覧車に乗り込むと向かい合わせで座ると係員が扉を閉める。
「楽しみだね!雪姉」
俺の前にはニコニコ笑顔の最愛の葵くんがいる。
「う、うん。楽しみだね」
俺はしどろもどろになりながらも微笑んで頷く。
「どうしたの?雪姉。顔が真っ赤だよ?」
葵くんが心配そうに首を傾げて俺を見つめてくる。いけ!俺!今がチャンスだ!と自分で自分に発破をかけた俺は一度。深呼吸をして葵くんに目線を合わせた。
目の前には心配そうにこちらを見つめる葵くん。
「あ、あのね葵くん。驚かないできいてほしいんだ」
「う、うん」
ええい!やけに喉が乾く。葵くんは心配そうな顔からキョトンとした顔になり見つめてくる。
「え、えっとね。私。葵くんの事が好き…なんだ。幼馴染としてじゃなくて1人の男の子として葵くんが好きなんだ!」
言い終えた俺は葵くんを見つめる。
「ふぇっ!?で、でも、雪姉の前世は、男の人だったんだよね!?ボクは男の子だよ?いいの?」
葵くんは顔を真っ赤にしてワタワタしている。葵くんの言葉からもわかる様に、葵くんは俺の前世が男だったのを知っている。話したのは葵くんなら受け入れてくれそうだという。根拠のない理由だ。他に知っているのは俺の両親と葵くんの両親だ。自分の両親には隠し事をするのが嫌だったので話し、葵くんの両親に話したのは幼馴染の両親にも隠し事をしたくなかったのもあるが、葵くんの両親がライトノベル作家とイラストレーター兼声優という理解してくれそうな職業だったから話した。余談だが、母親がライトノベル作家で父親が声優をしている。声優の父親は、男の娘アイドル声優という新ジャンルの声優で、美少女の様な外見で可愛らしい声に抜群の演技力と歌唱力で人気があり、母親のライトノベルも何作品かはアニメ化されている売れっ子だったりする。親子3人が揃うと、親子と言うよりは3姉妹に見えると言うのは余談の余談だ。
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