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葵くんが投じたボールはレーンの真ん中を転がると一番前のピンに当たり、そのまま転がりながら後ろのピンも倒した。そして、ボールに倒されたピンが他のピンも倒し見事ストライクとなった。
「やった!やったよ!雪姉!」
ストライクを取れたのがよほど嬉しいのか葵くんはその場で、ぴょんぴょんと飛び跳ねているが、見ている俺は気が気じゃない。葵くんがジャンプする度にワンピースのスカート部が捲れ葵くんの穿いている、ゆるキャラのプリントされたショーツが見えている。
「よ、よかったね。ほら、葵くんおいで」
可愛いショーツを穿いているんだなと、どうでもいい事を考えるのをやめた俺は葵くんを手招きする。
「えへへ。ボク。ストライク取れたよ!」
嬉しそうにニコニコしている葵くんはこの世で一番可愛いと思う。そして、ニコニコしている葵くんを見ていると何故か胸の鼓動が高鳴る。
「おめでとう。凄いよ葵くん」
俺が葵くんの頭を撫でると、葵くんはさらに笑顔になった。
ボーリングを楽しんだ俺たちはカラオケエリアに来ていた。俺1人なら、ゲームセンターエリアに向かい、メダルゲームやレースゲームで時間を潰すが、今日は葵くんがいるのでお預けだ。俺がゲームに夢中になっている時に攫われそうなのと、葵くんはあまりゲームが得意では無いので2人でやろうにも勝負にならないからだ。それに、せっかく2人で来ているのに、ゲームセンターで時間を潰すのは勿体無い。
「それじゃ。歌おうか」
俺はタッチパネルで曲を検索する端末を取り検索を始める。
「雪姉の歌。楽しみ」
マイクを持ち立ち上がった俺を見上げて微笑む葵くん。そんな姿を見たら最高の歌を聴かせてあげたくなる。そんな事を考えていると、イントロが流れ始める。
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