(最恐百物語コンテスト投稿作品) かざぐるま

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これは 私が 東○タワーのすぐそばにある 有名寺院にて 出会った不思議な体験です タワーの足元にある その寺院は 徳川家とも所縁ある 由緒正しき名刹で 春先 まだ寒い時期ですが 流石 有名寺院だけに 観光客らしき 外国の方や 旅行者と思われる人たちも結構いましたね。 用事が済んで私も 境内にお詣りしては タワーの方へ向かって 歩き出したのですが その境内の横に かなりの数のお地蔵さんが ところ狭しと並んでいて なぜか 皆 カラフルな色のかざぐるまを 持っているんですよ それを見た私は お地蔵さんは 子供のためのものだと聞くから  かざぐるまを持たせているんだなぁ と 漠然と思っていたのですが カラフルなかざぐるまで 一本だけが くるくる くるくる くるくる っと 物凄い勢いで回っているのが目についたんですよ その一体のお地蔵さんが持ってる かざぐるまだけが くるくる  くるくる  くるくる って 止まることなく回ってて あれ? おかしな違和感が? そうです あれだけ 密集して お地蔵さんが 並んで立っているのに なぜか 他のお地蔵さんのかざぐるまは ひとつも回っていなくて その一体のお地蔵さんの かざぐるまだけが 電気仕掛けかなにかで 回っているのかと錯覚するくらい勢いよく回っているんですよ 本当に なんとも 不思議なことがあるなあ と思い 近づいて じっくりと見てみたのですが それだけ 電気仕掛けであるわけでもなく 他のお地蔵さんのかざぐるまと  何も変わったらところが ないんですよね そこだけ どこかから 風が強く当たっているのかとも思ったので その近くに 掌をかざしてみても 特に 強い風が吹き付けてる訳でもなく それに ほんの 数十センチくらいしか 離れていない 近くのお地蔵さんのかざぐるまは うんともすんとも 回っていないわけでさ その時は 何かが そのお地蔵さんのかざぐるまだけを 回していたんだろうなあ としか 思えませんでしたね 友人にその話をしたら  そんなことあるわけないって 否定されましたが 実際 この目で 見てますからねぇ 目の錯覚ってことは ないし。 いやはや 怖いって感じは しなかったし 何か圧迫感もなかったけど 不思議な体験でした。
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