孕んだ熱

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ーーにしても最高にいい匂い。 確かラストはサンダルウッドがメインって書いてあったな……。 「嗅ぐな」 くんくん嗅いでいるとものすごく低い声で言われてしまった。 顔を上げると刺すような氷点下の瞳。 「すみません、つい……」 「つい、じゃありません。 心配したのに随分元気そうですね?」 ため息をついてベッドから離れようとする雪弥さんの手を掴んだ。 「……心配、してくれたんですか?」 「杞憂でしたね」 く、とまた離れようとする雪弥さんのシャツをつまんだ。 どんだけ私から離れたいんだこの人は。
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