桜の木の下

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気温よりはるかに低い凍てつくような視線。 腐った生ゴミを見る方がマシ、みたいな。 「ゆ、ゆゆゆゆ、雪弥…………さん」 あっためて!無理かもしれないけどあったかい眼差しを!!! 「こ、小松先生……どうかここは穏便に……ね?」 私同様に遥も顔を引き攣らせながら雪弥さんに手を伸ばす。 「穏便も何もね?」 私たちの手をすり抜けて雪弥さんが同僚に向けて手を伸ばす。 あぁーっ、ダメだーっ!!! 胸ぐらでも掴んじゃうんじゃないかと顔を手で覆いながら指のすき間から覗き見る。 伸ばされたその指先はーーー。
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