桜の木の下

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「ーーーーはじめまして夫の小松雪弥です。 いつも陽菜がお世話になってます」 ーーー同僚と握手した。 しかも私にも見せたことないんじゃないかって言うくらいの最高の微笑みを一瞬浮かべて。 なにそれーっ!!!! うわ、指で隠すんじゃなかった!! 全画面で見たかった!!! 「…………おっと」 同僚がほうけたように呟く。 夫、のあとにこぼれ出たため息が心なしか熱い。 「やべぇ、大人の男……!!! 小松さんの旦那、やべぇ…………」 壊れたようにやべぇしか言わなくなった同僚。 遥が笑いを堪えながらうちのグループの群れに連れていく。 その場に残された私と雪弥さん。 ちら、と雪弥さんを見るもいつもの無表情。 なんだったんだ、さっきのは。 幻の微笑みか。
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