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「用がないって言いますけど……」
同じように頬杖をついて雪弥さんを見つめた。
「その長い指先とか、口とか、
メガネ越しの瞳とか何なら髪の毛一本ですらずーっと見てたって見飽きないのに。
私の中では雪弥さんを見ること自体が大事な用なんですけど」
あなたはドン引きでしょうけどね?
私がそう言うと雪弥さんは火を付けようと加えていたタバコをぽろりと落とした。
ほら、やっぱり。
刺すような視線を向けられるかと思ったけど、雪弥さんはそのまま頭を抱えて俯いてしまった。
おぉ……、メンタルに大ダメージを与えてちゃった……。
「……雪弥さん、あの……タバコ、落ちました……」
「あー……、ハイ」
返事はするけど動かない。
鳥肌でもたってんのかな。
でも、固まってる雪弥さんも貴重でなかなか……。
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