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「雪弥さんは素敵だってことです!」
フォローになっていなかったらしくさらに怪訝な顔。
「---どうだかね?」
ぷい、と効果音が付きそうな感じであっちを向いた雪弥さんはまた歩き、脇にあったちょっとした高台につながる石段を登り始めた。
この人はどこで一服をするつもりなのか。
もうだいぶ歩いてますよ?
「って、どうだかもこうだかも、ホントですよー」
「そうは思ってない人もいるみたいですけどね」
「それは―――」
はた、と思って登っていた足を止めた。
「---雪弥さん」
呼びかけるとちゃんと止まって振り向いてくれる。
じっとその色素の薄い瞳を見た。
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