桜の木の下

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「これ、俺が上だから気になるんですかね」 「どうでしょう……?」 「君、18超えてたとはいえ未成年だったし」 「未成年とか言うとヤバい感じしますね?」 「……でしょう?」 眉をひそめる雪弥さん。 お酒、結構飲んでたのかな? いつもより饒舌だ。 「しかもそれに加えて生徒っていうね。 卒業してからなら割とあったりするんですけど、在学中ってのはないから」 登りきった雪弥さんはを止めて私の方を向く。 下にはあんなに人がいたって言うのに高台は人気がないのが人影がなかった。 あるのも大きな桜の木が1本だけ。 「ーーーあの時、実は勇気いりました」 そう言って絡めた手を持ち上げて少し困ったように微笑った。 あの時って渋谷で初めて繋いだ時、だよね。 ……ほんと珍しい。
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