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「ーーーわっ……!」
頬杖を付いていた腕を引っ張られた。
テーブルを避けてよろめいた先は雪弥さんの胸の中。
髪に雪弥さんが触れる。
その隙間から雪弥さんの唇が啄むように触れた。
「ーーこの髪も」
間近で囁く低い、少し気だるげな声。
長い指先が私の顎を滑り持ち上げ、唇ゆっくりと触れるだけのキスを落とした。
「ーーこの唇も」
上唇は触れたまま言う雪弥さん。
静かな振動が伝わってくる。
「何度触れても触れたりない」
焦らすように何度か食んだあと、雪弥さんが中に入ってくる。
「ーー……ん……、ふ」
上顎や舌の裏をなぞられるたび、雪弥さんの熱い舌が絡まるたびに甘ったるい声が漏れてしまう。
「ーーは」
唇を少しだけ離して、火照った顔をひんやりとした雪弥さんの掌が包む。
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