孕んだ熱

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しばらく頭を抱え込んでいるとドアがガチャ、と開いた。 ーーーーはっ!私としたことが! 「おっ、おかえりなさい……っ」 私としたことがなんて失態! せめて、奥さんとしてお帰りのハグを……! 「ーーただいま。 具合、どうですか」 せっかく両手を広げて待機してたのに横を通過してクローゼットに向かった雪弥さん。 「そっちはそうとして……。 あの、ひとつお忘れじゃありませんか」 ただいまのハグです。 待ってますよ、私。 「何もありません」 ーーちぇっ。
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