孕んだ熱

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ふてくされて頬を膨らませると、ネクタイを少し緩めた雪弥さんがベッドの端に腰掛けて私に向かって手を伸ばしてきた。 ひんやりとした手が額に触れる。 ーー……あ。 「大分下がったみたいですね」 こめかみから頬を伝って喉元まで滑っていく冷たさと、ーー香り。 「……ヤバい」 「ーーーーは?全然ヤバくはなさそうですけど。 ……気持ち悪い?」 いや、そっちは多分もう平気です。 そんなことよりヤバイのはあなたです。 顎を下げ喉元に触れたままの手にすり寄って。 「これ、ラストノートやばーい……」 実は男性用だからと雪弥さんにも試してもらっていた。 感想を聞く前に寝込んじゃってたけど真面目に付けてくれてたみたいだ。
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