第一章 おいおい、ここはどこ?

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「先生、もうそろそろお休みになられてはいかがです? もう、11時を過ぎましたよ」 私は"松本樹"。高知県のド田舎で医者をしている。 元はじいさんがしていたこの松本医院だが、もう年だからと言って、手伝いをしていた私に譲られた。 そして、ここら辺には1個しかない病院だからか、色んな人がやって来る。 それ故、眠る間も惜しんで働くしかない。 「ん?後ちょっとで終わるから、律さんは帰ってていいよ」 「また、そんなこと言って!あんまり働きすぎると、体に毒です!!」 「まあまあ、大丈夫だって! ほら、早く帰りなって!旦那さん、心配してるよ?」 もう!っと怒りながら帰っていく律さん。 「……心配性なんだから」 カタカタとパソコンをつつき、ふと顔をあげると、もう1時をすぎていた。 「……もうそろそろ、寝るか」 そう呟きながら自室に戻ろうとすると、街灯もなくって、真っ暗なはずの窓の外がまるで昼間のように明るい。 「……え?」
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