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しばらく経ったある日、それは唐突に訪れた。
サークルから帰る途中、杜君と出会った場所を通りかかった時だ。
あの、キジトラを探して、路地裏の方をキョロキョロしながら、歩いていた。
(いないな……ねこ……)
キジトラを見付けたら、杜夫君にも会える……そんな気がして、ちょっとむきになって探していた。
はぁ、っとため息をついて、路地裏から目を離し、前を向いて歩き出した、その時だ。
目の前に、杜夫君がいる。
キジトラが見付かる前に彼が現れるなんて反則だ!
私は心の準備が整わないまま、彼に話しかけることになる。この距離で逃げ出すのは明らかに不自然だ。きっと、今度こそ嫌われてしまう。
もう、杜夫君も私に気が付いている。
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