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私は高鳴る胸を押さえながら、小さく深呼吸し、意を決して話しかけた。
「も……杜生君、ユーマ君、こんばんは、これからどこへ行くの?」
杜夫君が目の前にいる……また、鼓動が高鳴る。
私の心臓はこんなに忙しく動いていたら、随分と早く寿命を全うしてしまうかもしれない。
杜夫君は、少し、戸惑っているようだ。どこか、不自然だったかな……。
ユーマ君が一緒にいた。話しかけた時にやっと気がついた。危なかった、挨拶もしなかったら、きっと、二人ともに嫌われてしまうところだった。
杜夫君が、私をじっと見つめている。何も話さず、じっと……。
一体何を考えているの? なんでもいいから早く話して! って叫び出したい……。
「薫、悪いな、これからユーマとダーツバーへ行くんだ。付いて来ても構わないけれど、相手はできないよ」
こ、これは、どういう意味? 話し方は明らかに邪魔くさそう……でも、ついてきてもいいって……でも、本当についていったら、気の効かない女って思われるかな……。
私は何もできなかった。
ただ、頭の中が、グルグルと空回りするばかり……。
そうしている間に、彼は私の横を通りすぎていく、
言わなきゃ、振り替えって言わなきゃ。
私も一緒に行くって、ただ、一言だけ……。
私の名前は白濱薫……恋愛ヘタクソのヘンテコ女……。
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