白濱 薫

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「ごめんなさい。ユーマ君、相変わらず格好良いわね。おかげで杜生君にも、すぐに気が付けたわ。ねえ、ユーマ君、杜生君ってすっごく雰囲気変わらなかった? 私びっくりしちゃって……」  あんなに苦労したユーマ君との会話が普通にできる。私も少しは成長したのかもしれない。  ちょっと落ち着いてきた。ユーマ君と杜生君の仲間に入れたような気がして、嬉しくなった。 「そ、そんな事ないよ」 「杜生はそりゃ変ったさ。俺が魔法をかけたんだからね! いきなり恋に落ちたんじゃないの? お嬢さん」 「そうね、魔法にかかったのかもしれないわ。私、杜生君の事……好きみたい。変かな? こんな事言うの? ねえ、杜生君、こんな事言って、私の事嫌いになった?」 (私はやっぱり変だ、こんな事、良く言えたものだ、客観的に見て……気持ちが悪い……でも、本当にそう思ってしまったから、だから……) 「え? そ、そりゃ大変だね……」 「じゃあな、白濱。俺達急ぐんだ。バイバイ」  そう言うと、ユーマ君は彼の手を引いて足早に去ってしまった。
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