384人が本棚に入れています
本棚に追加
「正直わかりません。でも、二人がそんなことするはずがない」
するはずがない……か。
友人を信じたい気持ちはわかるが。
「でも、誰かがバッグに入れなきゃ、こうはならないよね?」
僕がメガネを持ち上げてそう言うと、由依は瞬時に顔を向けてくる。
「だから、それを判明させたくてここに来たんじゃないですか」
「えっと、それは……」
「私、本当にやってないんです……」
「お願いします」と、由依は両手を合わせた。
「誰が何のために、こんなことをしているのか調べてください。じゃないとまた同じことが起こるわ。そしたら、お巡りさんだって困るでしょ?」
「まぁ、確かにそれはそうかもしれないけど」と、僕は成実に目配せする。
だが、彼女は肩をすくめて知らん顔。
『あなたの案件でしょ? あなたが判断しなさい』と、言わんばかりだ。
.
最初のコメントを投稿しよう!