第一話 『万引きG犬』

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そんなこと言われても、一体どうやって調べろというのだろうか。 第一、万引きがあったのか無かったのかすら結論が出ていない。 由依の話が本当だという保証もないのだ。 他の者に目撃証言を取ろうにも、誰に当たればいいのかわからない。 とどのつまり…… 真相を解明するには、相当な時間と労力を要するということだ。 僕たちは警察であって、私立探偵のように自由に動ける身でもない。 しかし、もしこれが本当に第三者による悪質なイタズラだとするならば、放っておくわけにもいかなかった。 由依から「お願いします」と、再度頭を下げられる。 お巡りさんが困るのは、未来のことではなかった。 既にもう……僕は返事に困っていた。 .
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