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学校の校舎と夜のサバンナは良く似ている。
先が読めず、常に危険と隣り合わせ。
次の廊下は安全だろうか……
あの階段には誰もいないだろうか……
私は教室から出るたびに、周囲を警戒しながら進むしかなかった。
どうしてこうなってしまったのか自分にもよくわからない。
ただ一つ言えるのは、私はクラスカーストと呼ばれる特殊な階級を踏み外し、下へ下へと堕ちてしまったということだ。
女子という生き物は小規模の群れをなす。
一度外れれば最後。自分が外れた群れに遭遇してはならない。
特に、ボスの目に止まらないように影に隠れて過ごすしかなかった。
出くわそうものならば、すぐさま攻撃が開始される。
直接、身体に触れてくる訳ではない。
しかし……
時に言葉の暴力は、ライオンの鋭い爪で引き裂かれたかのように、私の胸に深く食い込んでくる。
無視という牙も同様だ。
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